前書き


 まず、私がこの小説を書こうと思ったのは羅貫中の三国志演義を始め三国志という一つの歴史書を元に書かれた小説を今まで読んできて「私も一つの物語を創ってみたい」と思ったからです。三国志の小説を一度しか読んだことのない人には分からないかも知れませんが、人の書いた小説を読んでゆくとその人によって様々な物語があり、それを読み比べるのがとても面白いのです。そして私ならこの様な物語を作るというアイディアが頭の中を駆け巡り毎日が楽しくて仕方なくなり、いつしかそれを書き残しておきたくなるというものです。
 知っておいてほしいのは、三国志の三国とは曹操の魏・孫権の呉・劉備の蜀のことで、その中では魏が圧倒的な勢力を誇っているということです。その魏が圧倒的な力を持つきっかけとなったのが『官渡の戦い』でした。私の小説ではその戦いで曹操の敵手であった袁紹が勝利をおさめ、「成」という国を建てます。また、魏も負けましたが生き残り、魏のさらに西には小説内で「涼」と呼称される道教国家が起こり、正史で魏が治める領土を「涼」、「魏」、「成」という三つの国家が分割しています。これにより、蜀呉を含めた五つの国の国力がほぼ均等になります。この五国がタイトルにある五国志の五国です。
 また、第一部を読み終わったら第二部に入る前に『陸羊紀』を読むことをおすすめします。第二部に登場する人々が正史でどのような活躍をしたかがよく分かると思います。
 最後に難しい漢字について。
[言甚(ジン)]→甚
[登β(トウ)]→登
[王宗(ソウ)]→綜
[王秀(シュウ)]→秀
[王睿(セン)]→濬
[ネ者(チョ)]→緒
[示韋(イ)]→韋
[王韋(イ)]→韋
[王宛(エン)]→宛
[王炎(エン)]→炎
[王虚(キョ)]→遽
[言焦(ショウ)]→焦
[示古(コ)]→古
[王贊(サン)]→讚
と略させていただきました。
[言羽(ク)]
[萠リ(カイ)]
[金尊(テイ)]
[金票(ヒョウ)]
[え貌(バク)]
[糸林(チン)]
[合β(コウ)]
[王黄(オウ)]
[イ寉(カク)]
[小官(カン)]
[月彡(ユウ)]
[金間(カン)]
[業β(ギョウ)]
[禺隹(ギョウ)]
[音欠(キン)]
[赤β(カク)]
[イ由(チュウ)]
[王介(カイ)]
[分β(ヒン)]
[小睾(エキ)]
[青見(セイ)]
[青彡(セイ)]
[王羽(ク)]
[王行(コウ)]
[扁羽(ヘン)]
に関しては登場回数が少ないのでそのままにしました。最後に難しいのに頻出する[广龍(ホウ)]ですがが、なるべく避けるようにさせていただきました。
 能書きはこれぐらいにしておきましょう。さあ五国志が始まります。


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