「六」父との確執


 成都の住民はこぞって蜀漢の新たな若き英雄を歓迎した。
 趙雲、緒燕らは…
 緒燕は関興、張苞、そして劉甚を見て言った。
「我らの時代は去り、彼らの時代が来るようだな。」
 趙雲も同意した。
「うむ。」
 緒燕は意地悪そうな笑いを浮かべて
「ところで子龍(趙雲の字)、公子に説教をしておったな。」
 と言った。
「聞いておったのか。」
 趙雲が苦々しげな表情を浮かべた。
 緒燕は続ける。
「『将来のある身であらせられるのに』と言っておったがどのような将来があるのであろうなあ。」
 趙雲は考え込んでしまった。
 −立場としては長子を立てるべきだというのに、なぜあんなことを言ってしまったのだろう。まるで北地王殿下が太子であるかのように…。
「なあに、儂も同じ考えさ。」
 緒燕がポンポンと趙雲の肩を叩く。
 そこへ関興、張苞がやってきた。
「丞相閣下、そして緒将軍、お話があります。」
 趙雲が応じる。
「うむ。」
 代表として兄貴分である張苞が話し始めた。
「どうか戦勝報告の場において北地王殿下の弁護をしていただきたい。」
 すぐさま緒燕が
「ああ、儂らもそのつもり…」
 と言いかけたのを趙雲が制し落ち着いた口調で話し始めた。
「北地王殿下は公子だ。それほど重い罰は受けさせられないだろう。それなのに弁護しろとはどういう了見だ?」
 張苞は黙り込んでしまった。
「張苞…立場を考えろ。」
 緒燕が苦い顔をした。
「子龍…。」
 趙雲は再び緒燕を制し、
「もし敬哀皇后、または張皇后の子が帝位につけばそなたは皇帝と同じ血を引くことになる。さらに言えばもし、特に御辺と仲のよい北地王殿下が帝位につけば丞相の椅子がいずれ御辺にまわってくるだろう。」
 張苞が弁解をしようとした。
「いえ、私はそんなつもりでは…。」
 趙雲はその言葉をさえぎり言った。
「御辺が私利私欲で動く人間ではないことは知っている。だがそういう立場の者がうかつに仲のよい者を帝位に近づけるような発言は控えた方がよいのではないか?」
 関興が前へ進み出た。
「では私がお願いいたします。」
「同じことだ…。御辺とて北地王殿下にときおり武術を教えることがあるそうではないか。」
 関興、張苞とも二の句がつげなくなってしまった。
「子龍…。」
 緒燕は再び趙雲の肩を軽く後ろから叩いて、趙雲だけに聞こえるような小さな声で言った。
「丞相という立場にこだわらず、素直になれよ。」
 趙雲は一瞬苦い顔をしたが、咳払いを一つして雰囲気を元に戻してから、再び話し始める。
「しかしだ。私は御辺らの父上達から大きな恩恵を受けておる。壮繆侯閣下(関羽)からは学問を、桓侯閣下(張飛)からは武術を教わった。」
 関興、張苞の顔がぱっと明るくなった。
「だから北地王殿下の弁護の件については考えておこう。」


 そして凱旋が終わり、綿竹関にて戦った英雄達は戦勝報告をするため皇帝のいる宮城に集う…。
 最奥部の中央に皇帝がおり、その横に張皇后がいる。
 右側に文官、左側には武官の列が作られている。とは言っても主だった武官は報告する側にまわっており、将としては諸葛瞻にも及ばないような者ばかりである。しかしそのかわり文官には孔明に後事を託された三人、蒋宛、費韋、董允。その他にも董厥(共襲、または恭襲)、樊建(長元)、焦周(允南)と、そうそうたる面々である。ここに戦勝報告に加わっている諸葛瞻を足せば成都の主な文官の揃い踏みである。
 そんな二つの列の中央を戦勝報告をする代表者達が進み出た。劉甚と趙雲がそれぞれの軍の代表である。
 皇帝劉禅は
「趙雲よ…。そなたはよくやってくれた。司馬懿はおろか、姜維まで討ち果たすとは…。」
 と、満足げな顔を作って見せた。
 そこで劉禅は視線の方向を変えた。
「問題はお前だ、甚。」
 劉甚は面を上げた。
 劉禅は続ける。
「お前は勝手に兵を率いて飛び出し、兵を損じたな。そうだな蒋宛。」
 すると文官の代表として蒋宛が前へ進み出て話し始めた。
「北地王殿下は諸葛瞻の最良策であった籠城という手段を却下し、さらには勢いに任せて突出し敵の包囲を受けたとの報告が入っております。」
 場は劉甚は太子ではないのだから早く罰して終わらせてしまおうという雰囲気だった。
 劉甚は黙ったままだった。
「お待ち下さい。」
 諸葛瞻が割り込んだ。
「恐れながら申し上げます、陛下。北地王殿下が出撃なさらなければこの漢という国は存在し得たでございましょうか。」
 劉禅は難色を示した。
 文武百官もどよめき始めた。
 三人目の副将、登良(登芝の子)が諫めた。
「おやめ下さい思遠様…。」
 蒋宛は厄介なことになったとばかりに溜息をつき、董允などは舌打ちをしていた。
 しかし諸葛瞻は話し続ける。
「それに北地王殿下が突出したということになったのは、殿下本人の責だけではございますまい。殿下の武力を侮り、方陣を敷いていた私にも責任があるのではないでしょうか。」
 費韋は呆気にとられていた。
 そのとき−
「思遠様!」
 諸葛瞻はその声を聞き、振り返った。
「丁立!」
 丁立は諸葛瞻の四人目の副将で、かつて費韋と共に呉に遣いした丁肱(君幹)の甥、丁咸の子で劉甚らが出陣したとき、登良と共に綿竹関を守っていた人物である。
「陛下、意見を申し上げてよろしいでしょうか。」
 劉禅は快く
「よい。」
 と言って許す。
「確かに綿竹関に出撃した功はありましょう。しかしその後が問題でした。北地王殿下は思遠様の籠城しようという策を入れず独断で討って出、そして多くの兵を失いました。この事実がありながらなぜ思遠様が殿下をかばわれるのか理解しかねます。」
 −丁立…。
 諸葛瞻はまさか自分の下にいる将がこのようなことを言うとは予想していなかった。
 関興、張苞は代表者である趙雲の下に副官緒燕がいて、その副官でさえ意見をしていないというのに、自分たちが意見できるはずもなくその事態にいらいらしていた。
「申し上げます。」
 趙雲が沈黙を破って進み出た。
「北地王殿下は敵の先遣の将を負傷させ、その軍を殲滅して敵の本陣に突入し、姜維とも互角に渡り合ったのです。つまりこれは勝てない戦ではなかったということではないでしょうか。」
 劉禅はたじろいだ。
「趙雲がそこまで言うのなら…。」
 という風に話が進み劉甚の出陣のことは不問となった。
 しかし功ともされなかった。
 やはり太子以外の公子が功を立てるのは体裁が悪いということであろう。
 しかしそれ以上に劉甚は大きなものを得た。
 これを機に多くの武官が劉甚を太子にと動き出したのである。


 諸葛瞻や趙雲が彼を弁護してくれたというのに、そんなことにも気付かないほど劉甚は落ち込んでいた。
 彼は未だ姜維に敗れたことから立ち直れずにいた。
 謁見室で一言も喋らなかったのはそのような理由があったのだ。
 宮城前をとぼとぼと劉甚は出てきた。
 劉甚は遅れて出てきたのでそこにはもう人気はなかった。
 そんな劉甚を、一人の女性が待っていた。
 彼女は劉甚を見つけると零れんばかりの笑顔で
「英衡ー。」
 と駆け寄ってきた。
 彼女は姓を崔、名を玲といい、劉甚の学友の様な存在である。
 劉甚は声の主が崔玲であると分かると安心して目を見開いた。
 劉甚は崔玲の前でだけ安心して目を開くことができるのだ。
 崔玲は微笑みながら
「お帰りなさい英衡。」
 と言う。
「ああ、ただいま。」
 彼女は美人と呼べるほど顔立ちが整っているわけではないが、可愛らしいという言葉の似合う女性だった。
 肌の色が白くないところが、彼女の活発さを示していた。
 そしてその明るく生命力に溢れたしなやかさが彼女を魅力的に見せているのである。
 劉甚には桜色の唇、白い歯、小さく団子の様に丸い鼻、そして明るくきらきらと光るぱっちりとした大きな瞳、すべてが愛しく思えた。
「どうしたの?」
 劉甚は先程から自分がじっと目の前の女性を見つめていたことに気付き、急いで目をそらした。
 彼女は現在後宮で張皇后に預かられている。
 彼女の父は司馬徽の門下での孔明の後輩である崔州平である。
崔州平は静かに学問に勤しみ、士元・徐庶(元直)・石韜(広元)・孟建(公威)らの孔明以外の門下生が蜀漢に仕官したが、彼は極度の平和主義者であり「人を殺すための策など考えることはできない。」と言って仕官を拒み続けた。
 崔州平はただでさえ生活が苦しかったというのに追い打ちをかけるように、崔州平の妻である女性が、劉備が起こした関羽の弔い合戦である夷陵の戦いの戦乱の中、崔玲の妹・崔瓏をおぶったまま行方不明となり、それが原因で愛妻家であった崔州平はみるみる衰弱していき、彼は若くして死んでしまう。
 そして彼が死んだ後、残された崔玲は身寄りもなく、途方に暮れていたので孔明は彼女を後宮で預かる事にしたのである。
劉甚より二つ年上である彼女は後宮で出会って以来劉甚の姉代わりだった。
 崔玲は微笑みながら
「大手柄だったそうじゃない英衡。」
 と言う。
 崔玲には前述したような苦しい過去があるのだが、彼女はそんなことを微塵も感じさせないほどいつも明るかった。
 劉甚は臥せ目がちに言った。
「そんなことはないさ。」
 崔玲もさすがにおかしいと感じたらしく
「変に落ち着いてるわね。勝って浮かれてると思ったのに…。」
「負けたさ。」
「えっ、だって米賊の軍を追い返したって町の人は騒いでたけど…。」
 劉甚は表情を変えずに
「勝ったのは趙雲だよ。」
 と答える。
「えっ、えっ、そうなの?」
「俺は戦術的にも武術的にも姜維に勝てなかった…。」
「武術的にって一騎打ちで負けたの?」
「ああ。」
 そのとき崔玲は今目の前にいる青年がいつ涙を流してもおかしくないほど悔しがっていることに気付いた。
 幼なじみの崔玲には劉甚が悔しがっていることが手に取るように分かった。
「よっぽど悔しかったのね。」
 劉甚は黙ったままだった。
「昔からそうだったもんね。そうやって平静を装っているときほど…。」
 そのとき劉甚は突然崔玲を抱き締めた。
「えっ、えっ、英衡?!」
 崔玲は頬を朱に染めて言った。
「稚衡と幼衡だって来てるのに…。」
 劉甚はその言葉を無視し、更に強く崔玲を抱き締めた。
 崔玲は劉甚を慰めるために、自分の頭より一回り上にある劉甚の頭に手を伸ばし、そっと後頭部を撫でた。
 −やっぱり泣いたのかな…。
 しばらくその状態が続いて…
「英衡!本当に稚衡と幼衡が来るよ。離れなきゃ…。」
 そう言って崔玲は強引に劉甚を突き放した。
「ごめん、俺なんでこんなことしたのか…。」
 崔玲は心の動揺を抑えつつ
「も、もうそういうことは好きな娘とするもんだよ。」
 と言って崔玲は劉甚の額を人指し指でちょこんと突いた。
「それに私ももう一人前の女人なんだから昔みたいに気軽に抱き付いて来ないでよね。」
 劉甚は誤解を解くために
「い、いや俺は…」
 と言いかけた。
 その時である。
「長兄ー姐上ー」
 二人はその声に反応し、すぐに離れた。
 劉甚の二人の弟、劉恂・劉遽である。
 劉恂(稚衡)は劉甚より一つ年下の十七歳、劉甚ほどではないが、長身で劉甚の弟だけあって目つきも鋭い…しかしこの目つきの鋭さは男を魅力的に見せる範囲であろう。
 劉遽(幼衡)は劉恂からさらに二つ年下の十五歳。崔玲より背が若干短く、目もさほど鋭くない。目を普段から大きく開けているので、劉甚からすればうらやましいのである。
 さきほど劉甚、崔玲を呼んだのは劉遽である。
 二人は劉甚達のもとまで走ってきて、軽く息を整えた。
 そのとき劉遽は何かに気付いたらしい。
「姐上…顔が赤いですね。」
 崔玲はドキッとした。
「さては走って長兄のもとへ駆けつけましたね。そんなことをしているとまたオテンバだとか、じゃじゃ馬娘だとかいう評判が立ちますよ。」
「ええそうね、今度から気をつけるわ。」
 崔玲は更に赤くなって俯いてしまった。
 年若き劉遽とは違って劉恂はその場の甘い雰囲気に気付き、劉甚をにらみつけた。
 しかし二人ともそれに気付いていなかった。
 崔玲は、その場の雰囲気を変えようとして
「何にしても英衡が無事に帰ってきて良かったわ。」
 と別の話をふった。
 劉甚もそれにのって、
「かすり傷程度の傷はおったがな。」
 と答える。
「黒麒麟は大丈夫だったの?」
「ああ。だが黒麒麟ではない、黒龍だ。」
 崔玲は驚いて
「えっ?えっ?!別の馬?」
 劉甚は言い聞かせるように
「名を変えたんだよ。」
「なんで?」
 劉甚は渋々といった感じで理由を話し始めた。
「昔から俺は思っていたんだ。俺も伯父上達のように青龍刀、蛇矛などという自分特有の武器を持ちたいとな。ある時俺は鎌槍の穂の根元の両側から鎌の刃が突き出ているという武器はどうだろうと考えたんだ。その矛は前に突くだけでなく、枝により横に突くという攻撃も可能になるんだ。さらにこの枝は敵の攻撃を防ぐのにも役立つ。多少重量が増すのは薄く作れば補えるしな。それで俺はそんな矛を特別に鍛治に作らせたのだ。俺はその完成品を見て俺は感動した。その武器の名はすぐ思いついた。『白鳳矛』。それが考えついた名だ。俺にはその銀でできた矛が今にも翼をはためかせ飛んでいく鳳凰に見えたのだ。これほどぴったりくる名もないだろう。それが今の俺の武器だ。」
 いつのまにか劉甚はあたかも白鳳矛が目の前にあるかのように生き生きと話していた。
 劉甚は昔からこうなのだ。
 彼は何か物に名を付けるときは散々考え、意味深な名を付けておいて人に自慢するのである。
 崔玲は笑いをこらえながらその説明を遮った。
「待ってよ英衡。馬の話をするんじゃないの?」
「え?あ、ああ」
 劉甚は話が脱線しそうになっていたのに気付き照れ隠しに一つ咳払いをすると、
「その馬の命名の秘話をするのにまず白鳳矛の説明がいるのだ。」
「秘話っていうほどの話なんでしょうね。」
「あ、ああ。」
 崔玲は話のオチに勘づいていたが、黙って劉甚の話を聞き続けた。
「まあ簡単に言うと黒龍というのは白鳳矛に対照した名なわけだ。」
 崔玲はついにこらえきれず笑い始めた。
 劉恂、劉遽もつられて笑った。
 劉甚は何故笑われているのかわからなかった。
「なぜ笑うんだ?」
 崔玲は腹を抱えて
「たったそれだけなの?」
 劉甚は苦しまぎれに
「それだけではないぞ!我が祖父昭烈帝の馬、白龍とも対照している。」
 劉遽は笑いながら
「そんなことでたびたび名を代えられる馬の方が迷惑だよ。」
 劉甚達が談笑している横を劉濬ら敬哀皇后の男子四人が通りかかった。
 その先頭にいた劉濬は
「公道の真ん中で笑いやがって…。気楽な身分の者達はのんきでいいやな。」
 その言葉一つで劉濬は劉甚三兄弟から一斉に睨みつけられた。
 しかし劉濬はそれをものともせず今度は崔玲に目を向けると
「いきおくれの崔玲か…。」
 三人はさらにきつく劉濬を睨みつけた。
「私に側妾になっておれば、もう少し豪奢な暮らしをおくれたものを…。私よりそんなガキ共が好みとはな。」
 その言葉と同時に劉甚は拳を振り上げ、劉濬の方に向かって突進していた。
「やめて英衡!」
 崔玲のその一言で劉甚は急ブレーキをかけ、拳をおろした。
「私は…別にかまわないから…。」
 崔玲は俯いてしまった。
「ふん、野蛮人は手が早くて困る。」
 劉濬は通り過ぎていった。
 劉濬が去った後に崔玲が言った。
「民衆の人気だけが頼りな人だもの。民衆にあなたが英雄として祭り上げられているのが気にくわないんだわ。気にすることないよ。」
 劉恂は
「ならばなぜ姐上が侮辱されねばならないのです。」
 と言った。
 しばらく気まずい空気が流れた。
 そのとき聞こえてきた声があった。
「北地王殿下ー」
 関少年である。
 彼は劉甚らを見つけるなり走ってきた。
 その後ろからその義従兄の張遵がゆっくりと歩いてくるのが見える。
 関少年が劉甚のところまで来て呼吸を整えるとまず
「姜維と一騎打ちをしたというのは本当ですか。」
 と尋ねた。
 その関少年に走って追いついた張遵が後ろから口を押さえ、
「莫迦っ、劉甚は負けたんだぞ。」
 その直後、張遵は自分が口を滑らせたことに気付き、そっと劉甚の顔色をうかがった。
 劉甚は関少年の無邪気さが妙におかしくて怒る気にもなれず顔をほころばせていた。
 関少年の方は張遵の手をすり抜け、劉甚に
「姜維の獲物は槍でしたよね。姜維はどのような槍術を使うのですか?…」
 などと矢継ぎ早に劉甚に質問をぶつけた。
「統か…。相変わらずだなあ。ようし、分かった話してやろう。」
 劉甚は関少年の頭を撫でた。
「ただし、今は疲れているからまた今度だ。…。」
 劉甚はそう言って歩き始めた。
「そんな意地悪言わないで今話して下さいよう殿下。」
 などと言いつつ彼らは劉甚について宮城から離れていった。
 陽はだいぶ西に傾いていた。
 楽しそうに談笑しながら帰っていく彼らの笑い声は夕飯の支度でざわめいている街の中へ吸い込まれていった。


 こうして劉甚の綿竹での功によって蜀漢は滅亡を逃れたのである。
 この後初めて孔明の死が公表され、葬儀が行われた。
 これを聞いて成都の民は自ら喪に服した。
 孔明の遺体は定軍山に葬られ、墓には一つの石が据えられているだけのものだったという。
 しかしこれでしばらく戦がなくなるというわけではなかった。
 天下はこの戦…いや、孔明の死により大きく動き出すのである。
 そしてこの綿竹での戦いはその幕開けに過ぎなかった。
 もちろんその歴史の波の中に劉甚もすでに足を踏み入れているのである。
補足説明1


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